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アキュベリノス技術講座 シーズン1 プリント配線板について(初級編) 第5回(第5章)工程指示情報 基板製造・実装編
アキュベリノス技術講座
 シーズン1 プリント配線板について(初級編)

 第5回(第5章)工程指示情報 基板製造・実装編



★今回のポイント
 アートワーク承認はどうやって行うのか?
 基板製造工程への指示はどうやって行われるのか?
 実装工程への指示はどうやって行われるのか?

1:アートワーク承認

 アートワーク承認の前には検図を行いますが、ここで確実に確認をして行わなければなりません。以下に検図のポイントを列挙します

1)検図はビュワーとpdf図面で行うのが一般的

 ビュワーはアートワ−ク設計者が使うCADのメーカーが無償で提供している場合が多く、階層的になっている図面の透視や寸法測定ができるので、チェック作業に便利です。また、pdfは各層毎の図面ですが、絵柄に書込みができるので情報伝達に便利で、アートワーク設計者へのフィードバックとして使用します。ビュワー用のデータとpdfデータは、アートワーク設計者に提出物として要求して下さい。

2)アートワークのチェックポイント

 アートワーク設計者が配線を始める前のタイミングでチェックすることが大切です。

(1)部品の配置
 コネクタの向き、発熱部品周り、ノイズ発生部品周り、パスコンの位置、信号の流れに即しているかなどをチェックして下さい。
高さ制限や部品・パターンの禁止領域など制限事項についても、確実にチェックして下さい。チェックピン周りなどデバッグがしやすい配置になっているか? なども大切です。

(2)アートワーク設計指示書の内容 
 特に、次の項目は重要です。
自分の指示内容が守られているか?
等長(等遅延)配線には、配線長リストを要求してチェックして下さい。
ピンスワップ結果を要求してチェックして下さい。
有極性部品の接続が正しいか?ダイオード、トランジタ、可変抵抗など。アートワーク設計者がライブラリ登録を間違えていないかもチェックして下さい。

(3)層構成 
 信号層と電源GND層がどのように隣接しているか?
 電源とGNDが隣接しかつ重複面積が広く取られているか?
 信号層が隣接している場合、平行配線が長くないか?
 などを、確実にチェックして下さい。

(4)ベタ面 
 アートワーク用CADで自動発生させる場合が多く、アートワーク設計者は修正するはずですが、たまに浮き島(何処にも接続されていない)や、不要なところにベタ面がある場合、アンテナなどになっている場合があるので注意が必要です。

(5)信号線の接続
 ネットリストを支給している場合は不要です。未支給の場合はアートワーク設計者作成ネットリストと回路図との照合チェックを行うことになります。
 同一ネット内でも接続順番が必要な場合はpdfなどでチェック。例えば電源IC付近のパスコンやダイオードの配線順番やパターン幅などです。

3)チェックするポイント(基板製造・実装関係編)

 実装関係編で列挙することは、本来はアートワーク設計者が網羅すべきところですが、万一間違いを起こして配線を進めてしますと大きく開発工期へ影響しかねないので、回路設計者も気を使うことをお奨めします。
 電子回路に直接関係なくとも最終製品状態まで気にかけるのが『ものづくり』の基本です。

(1)基板製造に関して
 インピーダンス測定を希望している場合はテストクーポンがあるか?
 外形部分の加工は、Vカットかミシン目か金型か?
 ビス穴周りはナットやワッシャーを考慮したパターンやレジストの逃げがあるか?
 最小ライン/最小スペースや最小スルホールの値は基板製造標準仕様書に準拠しているか?
 などです。

b)部品実装に関して
 実装方向(ディップ方向)を考慮した配置になっているか?(はんだショート防止)
 (部品実装標準仕様書には方向と部品間Min距離が定義されています)
 Vカットやミシン目で折る場合、部品が近すぎてパッド剥離を起こさないか?
 (部品実装標準仕様書にはMin距離が定義されています)
 はんだ面のSMDパッドサイズはリフローパッド用かフローパッド用か?
 などです。

 これらの検図結果をアートワーク設計者にフィードバックして修正させ、正しくなった時点でアートワーク承認を出して、プリント基板製造工程に進むことを指示します。


2:プリント基板製造工程への指示

 アートワーク設計会社にプリント基板の製造も依頼する場合は、回路設計者としては特段行う作業はありません。しかし、回路設計者が手配する場合もありますので、以下に基板製造工程への最低限の指示内容を列挙します。

1)プリント基板製造用ガーバーデータとガーバーリスト

 ガーバーデータとは、ガーバーフォーマットと呼ばれるEIA(Electronic Industries Alliance:米国電子工業会)規格のプロットデータフォーマットで、エッチング前のフィルム描画時に使うプリント基板製造特有のデータフォーマットです。通常、アートワークCADから出力されます。ガーバーフォーマットには、アパーチャ・サイズ定義を含まない標準ガーバー(RS-274D)と、含んで定義されている拡張ガーバー(RS-274X)の2種類があり、最近は拡張ガーバーの使用が多くなっています。
 ガーバーデータは、プリント基板の内側の各層のデータ以外に外形(またはシート外形)のみのデータも含まれます。シート外形図とは、取り数を考慮した結果の丁付け、および実装工程で必要な捨て板などを入力した外形図のことで、アートワーク設計者が作成します。
ガーバーリストには、フォーマット定義と各ファイル名の説明と標準ガーバーの場合にはアパーチャー・サイズのリスト(Dコード表とも呼びます)も含まれます。

2)ドリル(NC)データ

 ガーバーデータと同じくアートワークCADから出力される、スルホール形成用のドリルのXY座標とドリル径を指定したデータです。その情報を図面化した穴図も出力されます。

3)フィルム描画イメージデータ

 これは基板工場でガーバーデータを読み込んだ際に正しく読み込めているかを見比べるフィルムイメージの絵柄のことで、pdf形式で提供されることが多いです。これもアートワークCADから出力されます。

4)層構成指示書

 層毎に信号またはベタ、銅箔厚が定義され、各層間の絶縁厚や板厚が記載されており、インピーダンス制御基板には必須の情報です。層毎の信号またはベタの構成とインピーダンス制御を行層はアートワーク設計者が指示し、各層の銅箔厚や絶縁厚は、在庫状況やプレス条件が関係するために、基板工場が決める場合が多いです。

5)プリント基板製造仕様

 記載内容例を以下に列挙します。この仕様と共にに必要枚数と希望納期を連絡します。
  シート外形サイズ、単品外形サイズ
  層数、板厚、銅箔厚
  最小ライン/スペース
  シルク面と色、レジスト面と色
  表面処理方法


3:実装工程への指示

1)実装図、シート外形図

 実装図とは、部品の位置や向きがリファレンス番号とともに図示されているもので、アートワークCADから出力されます。回路設計者はこれを基に後述の実装指示書を作成する場合があります。実装工程ではこれを使って工場独自で実装作業者への指示書を作成し指示します。シート外形図は、支給されるプリント基板との外観確認とマウンタ(自動実装機)への座標設定時の確認として使用されます。

2)部品リスト

 アートワーク設計工程の依頼時に支給するものですが、アートワーク設計時に指示した変更内容(部品の増減や定数変更など)も網羅した最終の部品リストがここで必要です。また、プリント基板上ではパッドなどを設けてありますが、実際には実装しない部品もあったりしますので、その場合もこの部品リストの該当部品欄に「未実装」と明記しておく必要があります。実装工程は最終工程でもあり工期が厳格に決められていますので、小さいミスが工期延長につながりかねません。指示内容の正確さと最新版管理には特に注意が必要です。

3)部品座標データ、メタルマスクデータ

 これらはアートワークCADから出力されるものです。
 部品座標データには、リファレンス番号、XY座標、回転確度、実装面の情報があるテキストデータです。原点は実装工場から指定されることもありますが、多くは部品面から見た外形の左下角になります。
 メタルマスクデータは、ガーバーフォーマットで出力されます。

4)実装指示書

 これは基本的には回路設計者が作成するものですが、アートワーク設計指示書の中で、実装に関する項目を指示した場合は、アートワーク設計者が受け継いで作成する場合もあります。指示項目の例を以下に列挙します。

(1)未実装部品:前述の部品リストで指示する場合が多いです。
(2)共用パッド部:同一部品で異なるピッチのSOPなどを、プリント基板上ではどちらでも実装可能な状態にして、実際実装する際には明確に指示します。部品リストに明記する必要があります。
(3)ジャンパー線:プリント基板上では配線領域が無い場合やガーバー出力後の配線変更時など、ジャンパー線で対処が必要な場合には、接続個所とジャンパー線の太さや材料、引回し方、束ね方を指示します。
(4)ヒートシンク部:放熱シートやシリコングリスの有無やビスの材料を指示します。
(5)リード加工:アキシャル部品やラジアル部品でリードを直角に曲げて実装させたいときなどに指示します。
(6)クリンチの有無:リード部品ではクリンチする方がきれいに固定されますが、後日デバッグなどでリワークの可能性がある場合は取り外し難いので、クリンチしないほうが良い場合もあります。
(7)フラックス洗浄の有無
(8)銅箔厚が70μm以上の場合は、見積依頼段階からの確認が必要です。はんだ付けの際に熱が逃げやすいので、通常のはんだ付け方法では不可能になってくるためで、工数も掛かります。

4:電子部品

 実装する部品を実装工場に持ち込む訳ですが、実装工場では何をどれだけ持ち込まれたかをまず検品しますので、持ち込んだ部品のリストも付けることが大切です。その際にリスト上では、SMD、アキシャル、ラジアル、手挿入部品を分けて記載しておくと、実装工程でのロスが減ります。

 今回はここまでとします。次回は第6回(第6章)「良きパートナー作りを」を予定しています。

第5回(第5章)工程指示情報 基板製造・実装編 終わり
ご意見、ご質問: tetsuzan@accverinos.co.jp
(本書は、株式会社アキュベリノスの著作物です。許可なく掲載、転載等を行うことを禁止します。)


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