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アキュベリノス技術講座 シーズン1 プリント配線板について(初級編) 第4回(第4章)工程指示情報 アートワーク設計編
アキュベリノス技術講座
 シーズン1 プリント配線板について(初級編


 第4回(第4章)工程指示情報 アートワーク設計編

 ★今回のポイント
  アートワーク設計以降の作業に必要な情報にどんなものがあるのか?
  電子回路設計者が指示すべきことは何か?

 今回は、アートワーク設計以降の各工程に必要な情報を示し、その内容と、指示のポイントを示して行きます。列挙します。なお、提供者については標準的な場合の想定ですので、現場での調整は必ず行って下さい。
表4-1に必要とする資料、データなどをまとめています。なお、電子回路設計者が部品調達を行うものと想定した場合です。



 電子回路設計者がアートワーク設計者に提供すべき情報から順次説明と注意事項を説明します。

1)回路図とネットリスト

 回路図にぜひ記載して欲しい内容を以下に列挙します。

  (1)有極性部品のピンアサイン
  (2)特定のパターンの太さもしくは定常電流値(分岐による変化含め)
  (3)特定の部品同士の接近距離(近づける場合も離す場合も)
  (4)特定のパターン間あるいはブロック間の沿面距離
  (5)信号のジャンプ先のページ番号

 回路図面の出力形式としては、pdfが一般的です。しかも文字検索ができる状態のpdfの方が、回路図のページ数が多い程アートワーク設計者の効率は上がります。
 ここで最も注意すべき点は、有極性部品のライブラリ上のピンアサインが数字の場合です。これはアートワーク設計者にしっかりと伝達しないと大事故に繋がりかねません。アートワークCADにおいてもライブラリ登録を行ってから設計するからです。つまり、『1』だけと表記されたピンの極性が『+』なのか『-』なのかを判断できなからです。
 また、回路設計CADか抽出されるネットリストを必ず支給して下さい。ネットリストを支給できない場合は、アートワーク設計者が手でキーインするという原始的な手法を取らざるを得ないケースもありますが、正確さと開発期間に問題があります。
 フリーソフトの回路設計CADを使用されるケースもありますが、バグによる回復時間やアートワークCADへのフォーマット変換に手間取る工数などを考えて、可能な限り一般に使われているCADの使用をお奨めします。

2)部品リスト

 Excelデータでの支給が、後々加工もし易くて一番です。回路図上のリファレンス番号も必ず記載して下さい。通常の回路設計CADならばリファレンス番号を含んだ出力が可能です。もし、支給後に回路変更が生じた場合は、部品リストも出力して、常に最新状態を指示して下さい。
 また、部品の入手が電子回路設計者側であれば、部品のパッケージまで明確になる部品名称(末尾の文字まで)が必要です。同じ機能のLSIでもSOPやSSOPなどパッケージが色々だからです。
 もし、実装が不要な部品があれば、この部品リストに記載して下さい。部品リストは実装工程への指示書にも使用します。

3)部品データシート

 電子回路設計者は設計時に必ず入手しますが、それをアートワーク設計者にも支給して下さい。特にアナログICやDC-DCコンバータ類などでは、メーカーのパターンの引き回し指示などについて、アートワーク注意事項が記載されている場合がありますので、アートワーク設計者への注意喚起を忘れないことが重要です。
 また、アートワーク設計者はこのデータシートの部品パッケージ寸法を見て、CADへライブラリ登録をしますので、極めて重要です。

4)アートワーク設計指示書

 この指示書の内容如何で、出来上がりが良いものかそうでないかが決まると言っても過言ではありません。ここは電子回路設計者として出来上がりを表現するところです。内容的には、基板の仕様や筐体寸法なども一緒に記載されることが多いです。
 以下に、アートワーク設計者から見て記載して欲しい項目を列挙します。基板や実装関連の項目で、未定の場合はアートワーク設計者と相談して決めても良いです。

(1)基板仕様
 プリント基板サイズ、層数、板厚、シート外形サイズ、必要枚数、表面処理方法、シルク必要面と色、レジスト必要面の色、層構成、特性インピーダンスの有無と該当層

(2)単体外形寸法図
 取付け穴位置、部品高さ制限領域、配線制限領域

(3)シート寸法図
 Vカットやミシン目、外形加工方法(ルーターまたは金型)、捨て板、実装用基準穴、DIP方向、繊維方向

(4)アートワーク設計仕様
 部品の配置面や方向・隣接間距離指定、発熱部品指示、配線面の指定、配線長指定、引き回し指定、沿面距離指定、GNDガード指定、ピンスワップの許可/不許可、ヒートシンク下などのベタ処理指定、余白部分のベタ処理指定、1点アースの希望位置、シルク文字の大きさと向き、個別のシルク文字やマークの指示

(5)実装時の指示
 ヒートシンクの放熱シートやシリコングリスの有無、ビスの材質、ビス部のワッシャー種類や個数指示、ジャンパー接続指示、ホットメルト個所の指示

 上記の中からいくつかをピックアップして説明を補足します。

【シート外形サイズ】
 複数の別基板との集合あるいは同基板のコピーをして、コストパフォーマンスを稼ぐために1シートで作製することが良くあります。なぜコストパフォーマンスを稼げるのかなどは別の章でプリント基板の取り数もまじえて説明します。

【表面処理方法】
 プリント基板の銅箔が露出した部分(パッドやランド)をどのように処理するかの指示です。詳しくは、別の章にて説明します。

【層構成】
 多層板の場合、信号層や電源層、GND層をそれぞれ第何層にするかを指示することになり、任意の場合はアートワーク設計者が基板製造の都合だけで決定する場合があります。しかし、インピーダンス制御が必要な場合は、その信号名もしくは該当する層をできる限り指定することが望ましいです。では、どのような理由で、どのように指定するかは、別の章で説明します。

【ピンスワップ】
 FPGAや抵抗アレー、DIPスイッチなどはピンスワップ可能な場合があります。アートワーク設計者の配線の都合でピンスワップしても良い場合は指示しておくと、回り込み配線が軽減されるメリットがあります。しかし、スワップ情報は必ず電子回路設計者にフィードバックさせて回路設計CADに反映(バックアノテーションと言います)させておかなければならないので、このバックアノテーションが回路設計CAD上で自動で可能かどうかは回路設計CADメーカーに確認をしておいて下さい。1000ピンを超えるようなFPGAのバックアノテーションを手動で行おうとすると、数日掛る場合があります。

 今回はここまでとします。次回は第5回(第5章)「工程指示情報 基板製造・実装編」を予定しています。

第4回(第4章)工程指示情報 アートワーク設計編 終わり
ご意見、ご質問: tetsuzan@accverinos.co.jp
(本書は、株式会社アキュベリノスの著作物です。許可なく掲載、転載等を行うことを禁止します。)


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| 開発こぼれ話 | 11:25 AM | comments (x) | trackback (x) |
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