■CALENDAR■
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
<<前月 2017年09月 次月>>
■LOGIN■
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
USER PW:
■ADMIN■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■NEW ENTRIES■
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■LINK■
■PROFILE■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■

アキュベリノス技術講座シーズン1 プリント配線板について(初級編) 第2回(第2章)アートワーク設計から部品実装までの概要
アキュベリノス技術講座
 シーズン1 プリント配線板について(初級編)


 第2回(第2章)アートワーク設計から部品実装までの概要

 今回のポイント
  回路設計後の工程の概要
  回路設計後の工程に対する電子回路設計者としての主な注意点

1:後工程の概要と主な注意点

 プリント基板を使ったハードウェア開発の『ものづくり』の概略作業フローを以下に記します。本編は電子回路設計者の読者を想定していますので、構想設計から回路設計部分は除き、それ以後のアートワーク設計〜検査(部品実装済プリント基板の検査)の概略を順次説明します。




1−1)アートワーク設計

 電子回路設計者が設計した回路図をもとにして、実際の寸法(搭載する電子部品やプリント基板そのものなど)に合わせて、デザインして行く作業を指します。
回路図は2次元(平面)で表現されていますが、実寸法で扱うアートワーク設計では、それを3次元(立体)に変換(電子部品の高さの考慮、プリント基板を階層構造として考慮、VIAホールを使ってパターンを層別に考慮するなど)して表現します。

 またアートワーク設計する上で、製品の良い悪しが決まるのは、まずは搭載部品の配置です。もちろんある程度の配線量や幅を考慮しながら行います。
この時点で電子回路設計者は必ず作業を確認すべきです。配線してからの修正には、手間と無駄が出ます。もちろん配線が終わってからの確認も不可欠です。
 
配置作業において3次元として考慮する物理的な構成物(要因)は、大きくは以下となります。

(1)プリント基板

 縦横の長さに加え、片面基板・両面基板・多層基板と厚み方向の寸法が不可欠です。
後述しますが、高速伝送回路においては、この厚み方向が非常に重要になってきますが、案外、見落とされがちですので、注意して下さい。

(2)電子部品

 キリがないくらい様々な形(パッケージ)のものがありますが、大きく分けるとリードタイプと表面実装部品(SMD:Surface Mount Device)の2種類です。
 約20年前までは、いわゆる電極端子部分が、リードタイプのものしかありませんでしたが、軽薄短小の世のニーズに応えるべく、SMDが出現し、はんだ付け技術も革新を遂げてきました。
 実際に使用する際にはリード加工が必要な場合もありますので、電子回路設計者がイメージする「最終的にこうしたい」を、後工程に正確に伝えるのは重要なことです。

(3)はんだ(=ソルダー)

 電子部品の端子部分に溶融して固定する合金ですが、実装工程において歩留まりの良い製造ができるかどうかは、アートワーク設計工程の部品配置に掛かっています。電子回路設計者も注意して確認して下さい。
 搭載部品や搭載面によって実装工程の順番は変わりますので、そこも考慮して作業する必要があります。特に量産時では考慮することが不可欠です。
 はんだには共晶はんだと呼ばれる鉛(Pb)が含有されたものが使われていましたが、環境問題(特に酸性雨による鉛の土壌への流出など)を契機に、昨今は鉛(Pb)フリーと呼ばれる鉛を含有しないはんだが大半です。ここにも材料と関係設備にも技術革新が生まれています。

(4)筐体など

 使用環境によって様々な形状になりますので、アートワーク設計では「高さ制限」という重要なファクターを考慮する設計します。アートワーク設計者としては、腕の見せ所です。
高級なアートワークCADでは、範囲設定をして自動チェック機能が働きます。ただし、その「高さ制限」も、元はどのような環境で使用するかを構想する段階で生まれるものですので、アートワーク設計者に正確に伝達して下さい。

1−2)プリント基板製造

 一口にプリント基板と言っても、様々な工法があり、特徴があります。
どれを選択するかは、使われる環境や要求コストに依るので、後工程と相談もしくは、正確に指示して下さい。この点は次回以降で詳しく説明します。
多層基板の特徴で案外見落とし易いやすい点は、一旦樹脂部分が解けたあと、冷えて固まったものであるということです。つまり、基板の厚み方向の均一性は、半導体に比べると非常にアバウトということですので、特性インピーダンスの精度を求める時には注意が必要です。
 また、よく使われる工法では、銅パターンの断面は台形(厳密には少し違いますが)になり、特に高速伝送回路としてシビアに設計する場合は、理解しておく必要があります。

1−3)部品実装

 はんだ付けの良し悪しは、電子部品の形状の組み合わせ、電子部品の配置や接近距離、さらにはリード挿入穴の径、SMD部品のパッドの形状や寸法、パターン形状などで決まります。
つまり、実装がうまく行くのか、まずくなるのかは、実装工場の腕も必要ですが、部品選定や部品配置、アートワーク設計の工程でほぼ決まるといっても過言ではありません。ですので、アートワーク設計者はもちろんですが、電子回路設計者も後工程のことをよく知って進めることが非常に大事です。
 知らずに進めてしまうと、最後には非常に熟練したはんだ付け職人に時間をかけて直してもらうしかないなど、納期やコストや品質に影響が出てくることを覚悟しましょう。品質が悪いものが上がってくるのは、往々にして前工程の指示に原因があることが多いです。そのためにも、電子回路設計者のみなさんにもプリント基板関連の勉強に励んで頂きたいのです。

1−4)検査(部品実装済プリント基板の検査)

 全部をくまなく見るというよりは、熟練者は見るポイントや傾向が分かっていると言います。
 アートワーク設計も基板も実装も、目視検査に頼るところは非常に多いです。その際のポイントは「見つけようと思って検査すること」になります。当たりまえのことですが、「不良は無いだろう」と少しでも思って行った目視検査では、エラーは見つけられません。ちょっとしたことですが、非常に大きい結果に結びつきます。

 今回はここまでとします。次回は第3回(第3章)「アートワーク設計者のスキルを知る」を予定しています。

第2回(第2章)アートワーク設計から部品実装までの概要 終わり
ご意見、ご質問: tetsuzan@accverinos.co.jp
(本書は、株式会社アキュベリノスの著作物です。許可なく掲載、転載等を行うことを禁止します。)


| http://accverinos.jp/cp-bin/blogn/index.php?e=6 |
| 開発こぼれ話 | 05:41 PM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑