2012,01,17, Tuesday
アキュベリノス技術講座
シーズン1 プリント配線板について(初級編) 第10回(第10章)一般的な実装作業方法(搭載部品別) 今号のポイント 部品形状別に作業方法の紹介 一般的なはんだ付け方法 1:部品形状別に作業方法の紹介 部品の形状別の呼び名を図10-1に示します。この他にどれにも属さないものを異型部品と呼んでいます。 ![]() 部品形状は大別して表面実装部品(SMD:Surface-Mounted Device)、リード型部品、異型部品の3種類があります。 搭載方法には、大別して2種類あり、自動実装と手実装です。 手実装とは、その名の通り、手による部品の搭載とはんだごてによるはんだ付け作業のことを言います。ここでは、自動実装について説明をして行きます。 自動実装の場合は、メタルマスク用ガーバーデータと部品座標データが必要になり、まず実装現場では、インサートマシンやチップマウンタに座標データを読み込ませた後に、実際の部品(リール梱包の向き)と座標データの方向とを一つ一つ確認して行くプログラミング作業を行います。ここで有極性部品の向きを間違えると不良となります。 部品形状別に対応する実装マシンとそれぞれ対応できるプリント基板サイズを表10-1と表10-2に示します。これは一例なので、実際には必ず確認して下さい。 ![]() ![]() 2:一般的な自動はんだ付け方法 表10-2でも出てきましたはんだ付方法を説明します。大別すると、リフロー法とフロー(ディップ)法の2種類があり、それぞれに対応したマシンが用意されています。 リフローマシンとフローマシンのイメージ図を図10-2に示します。 ![]() リフロー法においては、プリント基板全体を加熱しますが、その温度管理は時間とともに調整でき、プログラムできるようになっています。この時系列での温度管理グラフを温度プロファイルと呼んでおり、その内容は搭載部品の種類や大きさや数量・搭載面によって異なり、工場のノウハウとして保有しています。なので、日頃使用しない部品形状を搭載する場合は、事前の温度プロファイル作製が必要になり、そのために未実装状態の生のプリント基板が1枚必要です。 今のリフロー炉は、炉内を複数のゾーンに分けて、それぞれのゾーンでの温度管理ができるマシンが流通していますので、さらに丁寧な温度管理ができます。この温度プロファイル関連は第12章でも説明しますので、そちらも参照して下さい。 上記のはんだ付け方法はどちらもプリント基板をマシンのレールに乗せて搬送しながらはんだ付けを行うため、ある注意が必要となります。それは実装のデッドスペースと基板外形コーナーの処理です。 デッドスペースは、レール部分の部品搭載禁止のことで、図10-3のような「捨て板」部を形成させて、レールに挟まれる部分と搬送用の基準穴を持つ役目も合わせ持ちます。 外形の四隅のRまたはCの処理は、マシン投入時のレールに入り易くするためです。 ![]() 図10-4は捨て板を付けずに、プリント基板の内側に搬送用の基準穴を設ける場合で、その時も周囲にはデッドスペースが生まれ、搭載部品の配置を考慮する必要があります。これは、近い将来に量産基板に移行する場合に使われます。量産時にはいちいち捨て板をカットするのは手間となります。 しかし、部品搭載面積は限定的になる訳ですから、密度が高くなる傾向になりますので、アートワーク設計者はもちろん回路設計者も概略配置の検討段階から注意が必要となります。 ![]() 今回はここまでとします。次回は第11回(第11章)「現場は様々な部品形状との格闘」を予定しています。 第10回(第10章)一般的な実装作業方法(搭載部品別) 終わり ご意見、ご質問: tetsuzan@accverinos.co.jp (本書は、株式会社アキュベリノスの著作物です。許可なく掲載、転載等を行うことを禁止します。)
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| 開発こぼれ話 | 04:53 PM | comments (x) | trackback (x) | |